雪がとけて一ヶ月ちょっと。地面からは草たちがもうれつな勢いで吹き出でています。
僕らはそんな草たちを片っ端からなぎ倒していく。汗を流しながら格闘です。
しかし、切られても、完全に根を取られても、またいつか生えてくるから不思議。
冬になって枯れていっても、また春になったら芽を出します。
尽きることがない。
地味に地をはうものや、小さいきれいな花をつけるもの、青白くてちょっと気持ち悪いものや、ちょっと前までは“山菜”として大事にされたもの、いろいろな草があります。
それぞれが独立した「個」のようにみえるけれど、一本一本は、人間みたいに「個」としての意識などないんだろうね。
自分をよく見せたいっていう、自己顕示欲とか、
自分を認めてもらいたいっていう、自己承認欲とか、
自分の夢や目標を実現したいっていう、自己実現欲とか、
そんな「自分」に捕われることなどなく、
ただ、生命として生き続けたいというだけ。
他の生きものと共生し、全体として生き長らえるなら、自分を滅することもあるみたいです。
そこにあるのは、「個としてのいのち」でなく、絶えることのない大きな「全体としてのいのち」、どうやっても、そうとしか見えないなぁと思います。
僕ら人間のいのちは、果たしてどうなんだろうね。