雪が降って田んぼの仕事がなくなってから、冬のアルバイトの仕事をはじめました。
この辺の、外で仕事をする職業の人たちは、雪のこの時期、違う仕事をするのが一般的なようです。
一昔前は、冬は「出稼ぎ」で遠方に単身赴任するお父さんたちがとても多かったのだとか。
近年も、遠くに出稼ぎする人はいるみたいだけれど、きっと行政などでも冬の雇用を創ることに注力しているためだろうか、近くで仕事を見つける場合の方が多いみたい。
ここは、そんな暮らし方をする地域です。
僕も、今年、ありがたいことにご近所さんに紹介してもらい、冬の仕事に就くことができました。
仲間に入れてもらい、一緒に働くのは15人くらいの地域のおじちゃんたち。
本業は、大工だったり、ペンキ屋だったり、設備屋だったり、農家だったり、それぞれに手に職、すごい専門性をもったベテランのみなさんです。
笑う顔にはこれまで苦労されてきた分のシワがかっこよく寄って、
ゴツゴツの手にはいろんな逸話がありそうです。
おじちゃんたちの仕事ぶりは、急ぐことなく、それぞれにマイペース。
雪の中で汗をかいて体を冷やすことなく、
がんばりすぎで疲れて翌日に影響することもなく、
少し働いて休んで、また少し働いて休んで、の繰り返し。
誰からともなく、「おい、一服しようて!」の声がかかると、みんなでストーブの周りに座って、たばこをふかしながら、うわさ話や笑い話をしています。
が、そんな中。
まだ新人で何の技術も持ってない僕は、いつも後ろの方について、おじちゃんたちに手を貸す感じで動くしかなく、
また、休憩中も、おじちゃんたちの話がよくわからないばっかりに(むずかしい方言と超ローカルな話題にほとんどついていけない・・笑)、隅の方に座って聴いているだけです。
・・まるでフィリピンで仕事してるみたい。
おじちゃんたちのあり方も、フィリピンの村のワーカーさんたちにそっくりだし・・。
ただ、そんな完全アウェイな感じの僕に声をかけてくれるおじちゃんたちがいます。
「寒くないか?」「こっちの生活には慣れたか?」なんて、聞いてくれる人もいるし、
「こっちに来て座んなさい」と、ただ席をあけてくれる人もいます。
気づいてみると、“関心を持ってもらう”っていうことは、とてもうれしいもんなんだねぇ。
何かしてくれたり、声にしないでも、僕のことを気にしてくれてると、なんとなくわかります。
「関心」を持つ、っていうのは、声も、手も、出さなくても、心をその人に向けること、
その字のとおり、《心で関わろうすること》なんだと思いました。
心で想い、関わろうとすると、相手は何かを感じ取り、うれしく感じるのでしょう。