価値と意味 本と花

幸せよりも大切なこと

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幸福は、意味ややりがいのある経験の結果やってくるもの(アウトプット)であると同時に、その幸福によって健康や成功が得られてさらに幸福が増すというもの(インプット)にもなる。
そして、幸福は、周囲の他者に伝播し、広まっていく。

でも、幸福それ自体が目標になってしまってはならない。その理由は、幸福とは追い求めれば追い求めるほど逃げていくものだから。

もっとも大切なことは、意味のある人生を生きること、価値ある人生を生きること。
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さらに、他者の不幸のうえに自分の幸せを創ろうとしないこと。
すべての人の幸せが共存できる幸せ観や社会観を共有していくこと。



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『幸福の計算式』ニック・ポータヴィー著、阪急コミュニケーションズ、2012年
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・理性には制約がある:自分にとって最良の選択が常にできるわけではない、その主な理由の一つは、私たちの理性は、もっている情報量や脳の認識能力の限界、決断に費やすことのできる時間によって、しばしば制約を受けているということだ。この「限定合理性」のために、私たち人間は完全に理性的になることができず、時にきわめて不合理な行動をとってしまう。10

・過去の経験がどのくらい幸せだったか、あるいはつらかったかを思い出して評価するとき、私たちは費やした時間のことはほとんど考えたりしない。もっとも重要なのは、その経験のピーク時と終了時にどう感じたかなのだ。

・心理学の研究によると、人は決断−特になかったことにできない決断−の犠牲になったことを正当化し、「あれだけの犠牲を払ったのだから、この選択によって自分は幸せになれるに違いない」と結論づける傾向があるという。つまり、私たちは、行き詰まったことに対しては、より前向きな解釈を求め、それを見つけるものなのだ。17

◎金持ちが貧乏人よりもずっと幸せだという証拠は確かにあるが、すべての人の収入が増えたからといって、すべての人が幸せになるわけではない、、 46

・人はただ金持ちになりたいのではない。他人より金持ちになりたいのだ。ジョン・スチュアート・ミル 47

◎隣人の収入が増えることは、自身の収入が経ることとほぼ同程度のマイナスの影響をもたらす、、 

・裕福な地域に住んでいる人のほうが、貧しい地域の人たちよりも、お金のことで配偶者と口論をすることが多い

◎人は順位というものに大いに関心をもつ。

・ほとんどの人よりも順位が上ならば、他人に比べて自分がどのくらい稼いでいるかはそれほど問題ではない。人は自身の順位自体に価値を置く。 55

◎その価値を自分では実際にコントロールすることができず、他人のステータスに左右されるという事実にもかかわらず、私たちが手に入れようと必死になり、得るためには余命さえも進んで犠牲にしようとするステータスとは、どんな特別な意味をもつものなのだろうか? 58

◎ほとんどの人にとってステータス、つまり相対的な立ち位置は、それがその人の能力を示すものかどうかとは関係なく、人間にとってもっとも基本的な動機。それにしがみつくことがもはや理にかなっていなくても、この強い思い込みを手放すことができないのは、それが「ミーム」の直接的な産物だからだ。

◎人生は、楽しい経験や快適なライフスタイルを求めるためだけにあるのではなく、むしろ意味ややりがいのある経験―たとえば子どもとともに過ごす時間など―にその焦点をあわせるべきである。そして、その副産物として幸福が得られれば、すばらしい。だが、幸福それ自体が動機づけや行動の目標になってしまってはならない。その理由は、幸福とは追い求めれば追い求めるほど逃げていくものだからだ。 レイモンド・アンジェロ・ベリオッティ 206

・幸せな人は長生きする。
・幸福な人は、頼まれたこと、あるいはするべきことのほとんどを快く受け入れる傾向がある。
・幸せな人は免疫レベルが上がることが確認されている。 219

◎幸福がアウトプットであるだけでなくインプットでもある

◎幸せのウィルス 幸福は伝播する
 自分が幸福になることには、それ以上の利点がある。それは、他人の幸福度にプラスの外敵影響を与えるということだ。 226

◎「幸福が何よりも大切だと言うのか?」私の答えは「いいえ」だ。幸福な人のほうが生産的で創造性もあり、他人と長い期間いい関係を持続できる。だが、だからといって幸福な人が人生のすべての面で成功するというわけではない。  もっと大切なことだが、、、意味のある人生を生きること、それ自体が価値あるものであり、それは妨げたり無視したりすべきものではないのだ。227

◎貧しいけれど、おそらく人間関係は豊かであで幸福そうな人たちのいる村、、経済成長によって村民たちがそうしたネットワークを失い、ステータスや競争に気を取られて幸福を失うだろう、、 233

◎村民たちが地域社会から離れて都市部に来るようになったのは新しくできた道路のせいです。学校や病院や道路を作っているのは国際資本ではありません。政府がそれを行っており、貧困を解決したいからというのがその理由です。だから、人々にステータスを目指させ、地域社会のつながりを崩壊させているものは何なのかを知りたければ、研究や他人に頼る必要はありません。私たち自身に答えを求めればよいのです。 234

・釈迦は、この世に幸福があることを決して否定はしなかったが、彼にとって幸福は永遠ではなかった。幸福にしてくれるものを失うと、人は苦しむ。つまり釈迦によると、幸福を追求すること自体が苦しみなのだ。だが、人はこれに気づかない。一時的な快楽に惑わされるからだ。そして、欲望とは飽くことをしらないものなので(欲しいものが手に入ったら、もっと欲しくなる)、究極の幸せへの道とは、中道を行くことだ。

◎欲望が苦しみを生むこと、幸福とは必要が十分に満たされた心の状態にしかすぎず、心は努力と時間を費やせば、鍛えられるものであること、そして、それを説いた釈迦は常に正しかったのだということを、幸福度のデータによって導かれた結果が実質的に証明したのだ。それこそが、すべての根本的な事実なのだろう。 262

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 わたなべまさゆき

 新潟県在住。
 2012年の秋に東京から移転して来ました。
 現在、生活基盤構築中、農業研修中です。