親愛なるみなさんへ
このお便りの題名の由来、実は、息子「まさや」と娘「ももこ」の名前から来ています。まさやはタガログ語でしあわせ、ももはおばけ。あわせて「しあわせくんとおばけちゃん」です。
ついでに言うと、まさや(「空」という字が入ります)の名前の由来はタガログ語のその意味を引きつつ、僕の祖父から継ぐ「まさ」に加えて、常に変化している「空」、「色即是空」などとして仏教に伝わる“空(シューニヤ)” 、それからジェームズ・タレルのオープンスカイにもインスピレーションをもらってつけました。
一方、ももこという名前をつけた理由は、「彼女がまだお腹の中にいた頃から、兄のまさやが『ももちゃん』と呼んでいた」ただそれだけです(笑、、なんという由来の落差!)。友達にも好きなキャラクターにも「ももちゃん」という人物はいないのに、なぜかまさやはお腹の子をそう呼んでいました。
実は僕たち夫婦も彼女の名前をいろんな由来や意味を込めて考えていました。でも、最終的にまさやがそう呼ぶことを遮らないようにしたんです。彼は“なぜか”ももちゃんと呼んでいて、僕たちはその“なぜか”の流れを大事にして、そこに委ねることにしました。
なぜ「ももちゃん」と呼んでいたか、それは当時のまさやにもわからないことでした。きっと数年後、ももちゃんは聞いてくるでしょう。「なんで私の名前は“ももこ”っていうの?」と。「それはね、パパにもまさやにも誰にもわからないんだよ。それは神さまが選んでくれたんだよ」って僕は答えるんじゃないかと思います。
ももちゃんはもうすぐ生まれて半年。最近はよく笑います。笑いかけると満面の笑みで返してくれ、ワッと驚かせたりするとグフグフと笑い、そしてたまに“空”を見てなぜか一人で笑っています。
実体性がないという概念=“空”、実体がない“おばけ”。目にみえるものでなく「目にみえないもの」が彼ら兄妹の共通点。神さまが選んでつけてくれました。
昨日は雨でとけた雪から真っ白いモヤがあたり一面に立っていてとてもきれいでした。そのモヤのことをまさやが“雪ばあさん”って名付けたのは、去年の5月だったよね。
また5月になって“雪ばあさん”が見れることが楽しみです。
わたなべまさゆき