親愛なるみなさんへ
先日、集落の希望者で、ちょっと離れた町のビアガーデンまで飲みに行きました。
田んぼも一段落した夏のある夜。
何の縁だか、僕は3人のお母さん方の隣に座りました。
とてもおもしろいお母さんたち。
なんだかんだ、冗談交えていろいろ話しながら、一人のお母さんが言いました。
「あんた、そんな、手じゃダメだわ〜。」
僕の手は、細くて、小さくて、か弱そうに見えたに違いありません。
そうなんです。
実は、もう5年以上前から、フィリピンで現地の人たちと一緒に作業をしてた時から、僕はそのことに気づいていました。
毎日パソコンばかり触って仕事してきた僕の手は、村の兄さんやおじちゃんたちの手に比べると明らかにほそぼそ。
一緒に作業してると、彼らのごっつい手は、素手でなんでも鷲づかみして、持ち上げ、運び、いろんな仕事をするけれど、僕の手でそんなことをすると本当にすぐに壊れてしまいそうでした。
まるで自分の手が、壊れやすいガラスの手みたいに感じたのを覚えてます。
素手で作業をするのが怖いくらい。
新潟に来て、農作業をはじめて4ヶ月。
村のお母さん方にとって、僕の手は、まだまだガラスの手に見えたんでしょう。
帰りのバスの中では、ハクビシンの話題で盛り上がっていました。
ハクビシン?? どんな話で盛り上がれるのか、今の僕には見当すらつきません。
自分の手を眺める日々です。
わたなべまさゆき