価値と意味 田と畑

くさといのち

投稿日:


2014-06-03 09.36.58


田んぼの畔の草刈りがはじまりました。

雪がとけて一ヶ月ちょっと。地面からは草たちがもうれつな勢いで吹き出でています。

僕らはそんな草たちを片っ端からなぎ倒していく。汗を流しながら格闘です。

しかし、切られても、完全に根を取られても、またいつか生えてくるから不思議。

冬になって枯れていっても、また春になったら芽を出します。

尽きることがない。


地味に地をはうものや、小さいきれいな花をつけるもの、青白くてちょっと気持ち悪いものや、ちょっと前までは“山菜”として大事にされたもの、いろいろな草があります。

それぞれが独立した「個」のようにみえるけれど、一本一本は、人間みたいに「個」としての意識などないんだろうね。

自分をよく見せたいっていう、自己顕示欲とか、
自分を認めてもらいたいっていう、自己承認欲とか、
自分の夢や目標を実現したいっていう、自己実現欲とか、
そんな「自分」に捕われることなどなく、

ただ、生命として生き続けたいというだけ。

他の生きものと共生し、全体として生き長らえるなら、自分を滅することもあるみたいです。

そこにあるのは、「個としてのいのち」でなく、絶えることのない大きな「全体としてのいのち」、どうやっても、そうとしか見えないなぁと思います。


僕ら人間のいのちは、果たしてどうなんだろうね。

「個としてのいのち」なんて、あるいは、幻なのかもしれません。




2014-06-02 10.07.21










-価値と意味, 田と畑

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 わたなべまさゆき

 新潟県在住。
 2012年の秋に東京から移転して来ました。
 現在、生活基盤構築中、農業研修中です。