ベルント・ベッヒャーとヘラ・ベッヒャーというドイツ人の夫婦は、二人で写真を撮り続けました。
彼らの作品は、採掘塔、給水塔、溶鉱炉、冷却塔などの大きな工業建築物を、まったく同じように撮影して、同じ種類ごとに並べ提示するというものでした。
(http://matome.naver.jp/odai/2134031145292344901)
普段は日常の風景に溶け込んでいて誰も気にしないような、だいたいどれも同じもののように見える建築物。それらが、一つ一つ同じ条件で写真化されてまとめて目の前に置かれたとき、それぞれに異なる構造や形、細部の特徴が、とても強い差異として訴えてきます。
あなたの対象に誠実でいなければなりません、
そしてあなたがそれをあなたの主観性によって破壊しないこと、
と同時にその対象と関わることを確かめなさい。
教鞭をとったベッヒャーは、生徒たちにそのように教えたと言われています。