お米の収穫が終わったここ最近は、来年のための田んぼづくりをしています。
耕耘や代かきという作業。初めて、トラクターという重機を操作させてもらっています。
たくさんの雪が降って春の訪れが遅いこの辺りでは、他の地方では田植え前に行うこういう作業を、秋のうちにやっておくのだそうです。
これまでの仕事、とくに稲刈りの仕事のときなんかは、とっても忙しく、目まぐるしくて、シロウトの僕にとってはついていくのがやっと。
でも、このトラクターは、それに乗り、田底の土を耕しながら進むので、とてもゆっくり。
だから、周りの風景がよく見えます。
周りの家でおじちゃんやおばちゃんが立ち話をしていたり、畑仕事をしてたり、とれた作物を干していたり。
頭を垂らすたくさんのすすきの穂や、だんだんと赤くなりつつある木の葉、早い時間からオレンジ色になる太陽の光とかも、とてもきれいに見えます。
昨日はおばちゃんが「がんばるねぇ」ってビニール袋にお菓子をたくさん詰めて持ってきてくれたし、今日はおじいちゃんが「がんばれよぉ」ってトラクターの使い方ヒントを教えに来てくれたり・・。
たわいないこと、どこでもありそうなこと、経済的な価値など無さそうなこと。
でも、なんだか、何気ないそんな自然な風景や人のやさしさが、とても大切な気がします。光に映える葉の色も、おじちゃんの優しさもおなじもののように見える。
なんというかいい表現が見つからないけれど、「生」っていう感じかなぁ。
何年か前は、僕も大事にしようとしてた、世に騒がれるような、マニュアルやシステムやビジネスマナーや効率化や管理や営業や交渉術や戦略・・、もちろんそういうものも必要なのかもしれないけれど、
ここにあるこうした「生」こそが、《いのちが生きる》ということなんだろうなと思います。