夕ごはんの食卓を、家族みんなで囲めるようになって、もうすぐ1年。
最近のまさやは食事中とてもよく話をします。
保育園であったこと、遊んだこと、先生のこと、ともだちのこと。
話し過ぎて、いつも食べ終わるのが一番最後になるくらいです。
僕が、フィリピンのワークキャンプを担当していた頃、10代・20代の若者たちと、よく「家族」のことを話し合いましたが、その一つに、「自分が家族と一緒にいるときの食卓の絵を描く」という活動がありました。
あるフィリピン人の青年を思い出します。
彼は、両親、兄妹の他に、親戚までがともに食卓につく大家族の絵を描きました。
クレヨンで描かれたそれぞれの顔はみんな笑顔。とても豊かそうな家族でした。
キャンプが終わって数日後、たまたまのチャンスに恵まれて、僕はそのフィリピン人青年の家に遊びにいくことができました。
家はとても小さく、その中には、どこで寝るんだろうというくらいに、家族のメンバーがぎっしり。
生活家具も、上下水道もほとんどなく、トタンで作られたとても小さく“貧しい”家。
絵から僕が受けた印象と、家のたたずまいから受ける印象のあまりの違いにドキッとしました。
でも、、、彼が描いたその絵はまったく嘘ではなかった。
夕方のその時間、家族みんながくつろぎ、家事をし、それぞれの距離がとても近く、笑い合い、語り合い、本当に、本当に、豊かそうな、絵とおりの家族でした。
キャンプ中、彼は「家庭にお金がなくて自分は学校に行けないけど、僕は家族を愛している。早く家族に会いたい」と、話していたんです。
厳しい現実やいろんな問題がありつつも、すねたり卑下したりするのではまったくなく、家族を愛し大切にしている彼に心が動かされました。
まさや、これから先もずっと、今みたいにいろんな話をしてくれるといいな。
食卓での会話。それは、僕たち親がうれしいだけでなく、きっと子ども本人にとっても、何よりの基盤になるんだと思います。