価値と意味 田と畑

実を結ぶ

投稿日:2015年6月20日 更新日:



2015-06-10 10.22.38

田植えが終わって、約1ヶ月。

苗を作り始めたころにはまだたくさん積もっていました雪はこの2ヶ月の間にすっかり消え、田んぼの水も徐々に暖かくなりました。

あちこちにあったカエルの卵は小さくて黒いおたまじゃくしになり、そのうちおたまじゃくしに足が生えてカエルになり、
アメンボとかゲンゴロウとか、なんか足の長い飛ぶ虫とかの、カエルが食べる小さな虫もたくさんいるし、そのカエルを食べるヘビもたまに見かけます。
幼虫だかなんだかニョロニョロしたのやら、最近は、しおからトンボやきれいな糸トンボが産卵しているのをよく見ます。

ほんと、田んぼの中や周辺にいる生きものの数ってどのくらいなんだろうなぁ・・。

生きものがいない場所なんか、たぶんない。


なので、そんな田の中で、特に機械を使って仕事しているとたくさんの生きものを殺してしまいます。
自分の足で、踏んでしまったり、つぶしてしまったりすることも多々あります。
ごめんねぇ、なんてひとりごちたりして。

殺さなくても、田んぼの中で死んでいる虫なんかはたくさんいます。
今日も丸まって死んでいるトンボをじっと見てしまいました。

ほんと、お米ができる大地は、たくさんのいのちで成り立ってて、感謝だよなぁ。。

「僕なりに稲を一生けんめい育てて、田の中で生き死んでいく生きものたちの命を、おいしいお米に結実させよう」、作業をしながらふとそう思いました。



でも考えてみると、田の中の生きものたちは、お米となって僕ら人間においしく食べられるためにそこに生きているわけではない・・か。

そこで一生を送って土に還り、お米のおいしさとなって食され、たとえ僕らのいのちの一部になったとしても、それが田の中の生きものたちが生きる意味や目的ではないはず。

生きものたちは、そのいのちをいただいた僕らを通して、何かに実を結ぶということなんだろうか?

もし、どうやって実を結ぶのかが、僕らの意思次第、行動次第だとしたら、僕らはどうあるべきなんだろう?

自分は、生きものたちの営みが基礎となるお米をいただくのだから、彼らのいのちの目的にも沿うべきなんじゃないだろうか・・。

生きものやお米のいのちに目的に沿うことは・・?
それは、本当のところで僕たち自身のいのちが望んでいることなんじゃないか、とも思ったり。

では、全部を含む大いなるいのちの目的ってなんだ・・?

僕らは、人間としての身勝手さや自我の求めるままに生きるのではなく、日々いただくたくさんの生きもののいのちを、どうこの世界に結実させていくのかを、自分の意志によって果たさねばならないんじゃないか、なんて思います。



まあ、カエルも、とんぼも、ホタルも、ヘビも、タニシも、草花たちも、実は「目的」なんてそんな難しいこと考えずに、楽に、素直に生きてるんだろうけれどね。


そうそう、いのちの声に“素直に”生きるのがいいのかな・・。


2ヶ月後、稲が穂を結ぶのがとても楽しみです。


DSC_2612












-価値と意味, 田と畑

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

[お米づくり] わが家のお米ができました!

やったー!!! わが家の《新米》が届きました! 平成26年度 魚沼産コシヒカリの新米です! わが家の棚田で作ったきれいなお米。 希望してくださる方に、お分けしたいと思います(詳細は以下に)。 今年は、 …

くさといのち

田んぼの畔の草刈りがはじまりました。 雪がとけて一ヶ月ちょっと。地面からは草たちがもうれつな勢いで吹き出でています。 僕らはそんな草たちを片っ端からなぎ倒していく。汗を流しながら格闘です。 しかし、切 …

終戦記念の日に。

機嫌が悪くて怒ってたまさやとケンカしてしばらく、 こんな手紙をもらいました。 —————– パパへ  いつもしんじてるよ。まさや …

つづく、ピンチ。

8月はじめに水を抜いた田んぼは、順調に稲が育って立派な穂をつけ始めました。 しかし、お盆以降の豪雨によって、一部の稲が倒れてしまうことに! ああーーー、なんてこった〜。 今年はとても順調で、このままい …

[田] いよいよ、はじまる、“お米づくり”

いよいよ、です!! まだ雪どけもままならない一週間ほど前から、今年の田んぼの仕事が始まりました。 農家の先生のところに行って、教えてもらいながら+いろいろ貸してもらいながら+お手伝いしながら、作業をす …

Photo Gallery

プロフィール

 わたなべまさゆき

 新潟県在住。
 2012年の秋に東京から移転して来ました。
 現在、生活基盤構築中、農業研修中です。