先週末、都内の大学の先生とゼミ生たちが、わが家を拠点にした地域活動の可能性を探るために、遠路はるばるやってこられました。
集ったのは企画・運営メンバー含めて、総勢28人。
そして集落の役員さんら協力者を加えると、全部でなんと38人!が、この2日間の活動に参加・協力してくださいました。
ほんと、感謝の気持ちが言葉では表せないくらいです。
僕にとって「地域で活動を起こすこと」は、ここに移転してきた目的の一つですが、
現在は農業研修中で、自分の都合どおりに時間を使いにくいこと、
それに、引っ越してきて1年半余りで地域で何かをさせてもらうには、地域の皆さんとの関係性や地域についての理解度があまりにも薄い
ということから、そのドアをひらくのは「まだはやい」と考えていました。
ところが、昨秋にわが家を訪問してくれた友人2人が「何かおもしろいこと」を鍵にして、そのドアをひらいてくれたんです。
訪問中それぞれ“個人プレー”であれこれやってた2人が帰宅して数日後、彼らから突然送られてきた活動企画書にはとてもびっくりして、思わず笑ってしまいました。
そして、その企画書の内容に、僕が大切にしたい「青少年育成」を加味してもらい、活動準備がスタート。
友人たちの圧倒的な力でひっぱってもらい、今回の2日間にこぎつけました。
■主なやったこと
1)近隣集落における田んぼの現状視察
2)活動拠点となりうる空き家の視察
3)有機無農薬栽培の田んぼの草取り作業
4)集落の役員さんたちとの懇親会
5)大地の芸術祭の作品施設まわり
6)2日間の情報共有・今後のアイデア出しワークショップ
■主な成果!
1)学生さんたちの「活動アイデア」がたくさん!
2日間の総括として行ったワークショップから、たくさんのアイデアが出てきました。
「地域のいいところ・あるもの」×「地域の問題点・ないもの」×「わたし(たち)・できること・すきなこと」を掛けあわせた接点から、今後どんなプロジェクトが進められるか楽しみ。
2)集落の方々が「テーブル」についてくださったこと。
当初、集落の区長さんを懇親会にお誘いしたのだけど、その区長さんの計らいで前任+前々任の区長さんの参加が決まり、最終的には集落の役員さん全員8人の方々が、会に出席してくださいました。僕にとっては、集落の方々にご参加いただいたのはとても大きなこと。自分(たち)が「やりたいこと」のために、忙しい集落のみなさんの時間と労力をいただくことはとても遠慮していたんです。
結果的には、とても歓迎してくださり、また時間になってもなかなかお帰りにならないほど(笑)、楽しんでおられたようでよかった。
ただ、たぶん集落のみなさんにとってこの活動は、まだまだ半信半疑。あくまでも“お客さんをお迎えした”という気持ちじゃないかな。
これからぜひ期待に応えていきたいなぁと思います。
3)先進的な農家さんや活動の担い手との出会い。
いろいろな幸運や偶然が重なり、今回の活動準備期間に、今後も僕(ら)のパートナーとなる活動の担い手の方と出会うことができました。
また、その方を通して、有機無農薬でお米づくりをする(かなり稀)農家さんにも出会うことができました。
これら、間違いなく「未来が広がる出会い」です。
■印象にのこったこと・考えたこと!
1)活かされたそれぞれの“専門性”。
友人2人の専門性。建築的なロジカルな思考、プロジェクトの運営、企画づくり・裏方づくりの巧みさ・・
何気ない友人でも、普段のプロフェッションを見た時、あらためて惚れ直しました。
アシスタントとして参画してくれた友人も、本職に近い活動とあって、安定の存在感。安心して場を任せることができました。
また、最大30人以上対応のキッチンを担当してくれたななこや僕の母・妹は、誰もが満足する料理、おもてなしを。
特に母と妹は急遽実家からかけつけてくれたんだけど、わが家のプライベートな掃除・洗濯も含めて、もとより美しくして帰っていっていかれました。
社会人・大人になると、普段は普通の人でも、実はそれぞれに「専門性」を持っているものなんだね。
一人ひとりの得意技が全体に活かされるということは、なんとも気持ちがよいものだと思いました。
2)本当に課題解決しなければいけないのは「農村」か?
「地域の課題を解決するための活動」を模索するための集落の方々に話を聞く時間、もちろん、ここは過疎地で豪雪地帯で限界集落、であるがために、深刻な問題もたくさん。しかし、この地域の「よさ」を聴いているうち、人間が人間らしく幸せに生活するという観点からみると、実は「都会」の社会、そこでの生活の方が、よほど解決すべき「課題」があるのではないか?と思った。
3)出会い、めぐり合わせ、好機。
上に書いたような恵まれた出会いがあったことだけでなく、今年の区長さんが現任のその方であったこと、友人が「大学」に勤め、その「大学」の先生・ゼミが訪問されたこと、今が農繁期でなかったことなど、たくさんの幸運が今回の企画を助けれくれました。
こんなに幸運が重なるなんて一体どういうことなんだろう、とすら思います。
4)今回の「成果」はオープンに。
学生さんたちが出してくれた活動アイデアや、集落の方々の参加、大切な出会い、これら今回の成果は、この一連の活動の中だけに留めず、これからわが家に集う人たちや、今後声をかけて活動に参加してくれる人たちに、広く共有していこうと考えています。
わが家を接点として集うさまざまな人たちが、それぞれをどう発展させていくか楽しみです。
5)たくさんの力が合わされば想像を超えたことができてしまう。
友人たちや、学生さんたちや先生、地域おこし協力隊の方、集落の方々、そして、僕の家族・子どもたち、いろんな人の力が働いた2日間でした。
自分一人では絶対にできない、むしろ「一人でやるべきではない」とあらためて感じました。
個々の力やつながりに頼ること、そうすると自分が想像もしてなかったことが目の前の現実になるのだなぁと思いました。
ということで、あらためて、企画を創ってくれた友人2人や先生には心から感謝。
どんな展開になっていくか、これからがすごく楽しみだ。