くらしと便り

山を削る

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いよいよ、雪が積もる頃になってきました。


先日の2,3日、お世話になっている農家の先生のお手伝いで、

「おがくずを袋詰めして、倉庫内に運び、積む」

という作業を延々としていました。

これも冬支度のひとつ。
雪で埋もれてしまぬよう、急を要する仕事です。

外に積まれたおがくずの山を崩して、自分のからだほどの大きさの袋に、手やスコップを使っておがくずを詰め込み、たぶん一袋15kg~20kgくらいになるそれを運んで、室内に並べ積み上げていく―。

これが膨大な量。

もっと効率のよい方法はないのか、とか、
わかってたことなのになんで外に山を作っちゃったのか、とか、
そんな疑問なんか口にできないほどに圧倒される、おがくず山でした。


だから、ななこと二人、コツコツ、コツコツ、ほとんど口もきかず、ひたすら作業しました。
全部で何トンくらいになるんだろうね、、

結局、山もおおかたなくなり、室内に積み込む場所もなくなって、作業はついに終わりました。

いやいや、大きな山もコツコツ続ければ終わるものだ。

2013-12-03 10.21.08

そうそう。

こっちに越してきて、田んぼの仕事や外のいろんな作業をするようになって、
よく思うようになりました。

とりかかる前は、圧倒され、やる気が失せるほどの膨大な量、大きな山。
危機に迫られたり、誰かに「やって」と言われない限り、たぶん自分だけでは絶対に手をつけないような、終わりが見えない作業量。

でも、とりかかり、一つずつ、コツコツと進めていけば、作業は進展するし、ついには終わる。

一晩で50cm積もった一面の雪を、一堀り一掘りどかしていく時も、
田の中にびっしり生えた草を、一本一本抜いていく時も、
田よりも広いんじゃないかっていう畔や斜面に生い茂った草を刈っていく時も、
ご好意で用意してもらった大量の丸太を割り刻んで薪を作っていく時も、

作業に手をつけ、続けていれば、いつかは必ず終わります。

これ、自明の事実。


どんな大きな山でも「山」を見て、取り掛かる前に、ひるんでしまってはいけない。

「こりゃ、無理だ〜、できない〜」とか、
「何か違う方法はないのか?」とか、
「嫌だ、面倒くさい」っていう気持ちが、

無意識の心の中に自然に発生するのを注意して見つめていないといけない、

そのことを、頭でではなく、からだまるごとで体得したいとあらためて思います。


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 わたなべまさゆき

 新潟県在住。
 2012年の秋に東京から移転して来ました。
 現在、生活基盤構築中、農業研修中です。