今日は中越地震から10年の節目として、集落合同の防災救助訓練がありました。
消火器、心肺蘇生、AEDなど真剣な訓練なんだけど、お父さん方もお母さん方もユーモアたっぷりでとってもおもしろい。
農繁期でみんなが忙しかったここ近頃、こうして久しぶりにみんなで顔をあわせる場は、それだけでなんとなくうれしいものです。
今、この山の中の集落では、だいたい稲刈りが終わった田んぼに水がはられ、田の代かきがなされています。
代かきが終わった田はどの田も稲刈りの荒々しい跡は消え、ひっそり静かな美しい鏡面になります。
またそれから、今頃はお芋や小豆、ねぎなんかが家の軒先や道端などに干してあり、みんなが一斉にこれからやってくる冬の支度をはじめたみたいです。
ちょっと前、稲刈りがはじまった9月半ばころは、稲刈機(コンバイン)がバックを知らせる“ピーッ・ピーッ”っていう音が、山のあちこちで聞こえていました。
集落全体が忙しい雰囲気になってて、とくに週末なんかは、機材やお米を運ぶ軽トラックがすごい勢いで狭い道々を走り回っていたし、
稲刈りがはじまってしばらくした後は、もみ殻(=稲穂から脱穀したもみを玄米にする時に出る殻)を燻炭(=土に返して養分にします)にするために燃やした煙の香りが辺りを漂っていました。
もう少しすると、各家の窓のところに羽目板(雪囲い)がはられ、村全体が本格的な雪に備える風景に変わっていくんでしょう。
この辺の地域は、どの家庭もだいたい同じような生活・暮らし方をしているため、だいたいどの家も同じ時期に同じ事・仕事をしていることが多いようです。
それはまるで、みんなが歩速をともにしているよう。
前に住んでいた東京の都会でも、4月の新年度シーズンとかクリスマスシーズンとか、街全体が同じ雰囲気に包まれることはあったけど、
ここは人々の生活が自然の移ろいに同調しているぶん、より“みんなで一緒に歩いている”という感じがするのかもしれません。
歩速をともにする集落、なんかいいな、と思います。