親愛なるみなさんへ
毎朝の雪掘りが日課になって一ヶ月が過ぎました。
ごはん前にする朝一の仕事は、玄関前から公道に出るまでの約20メートルの雪をどかして敷地外の谷に落としていくことです。
いつもはその1時間あまりの時間を、体を動かしつつ何かを考えたり学ぶ時間にもしようと、ラジオやポッドキャストを聞きながらやってます。早朝もくもくと作業しながら、一人頭のなかでいろいろ考えたり自分と対話する時間は、疲れて汗だくになるけどいい時間です。
でも一方で、ふとそんな頭の働きが邪魔してたって気づくときがあります。ラジオの電波が途切れたりポッドキャストの番組が終わって音が途切れたとき、一気に朝の静けさの中に放り込まれて、自分の息遣いと微かに雪が降る音だけになる。なんて静かなんだろう~。空を見上げると雪がゆっくり降りてきて、それが自分の中に深く染みこんでいくような感じ。体を自動的に動かして大きな塊と格闘している間見えなかった雪の姿は、一粒ひと粒がとてもきれいだったり。
僕らは気づかずのうちに、頭のなかの世界だけに過ごしていたり、ルーティンの作業に半ば反応的に体を動かしていたりで、周囲の声や姿に敏感でなくなってしまうみたいです。
たまには思考を止めて、眼を見張ること、耳を澄ますこと。感覚を研ぎ澄ましたい。
今日はどんな世界に出会うでしょうかね。
わたなべまさゆき