価値と意味 田と畑

トラクターの速度のように

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2013-10-29 16.41.23

お米の収穫が終わったここ最近は、来年のための田んぼづくりをしています。
耕耘や代かきという作業。初めて、トラクターという重機を操作させてもらっています。

たくさんの雪が降って春の訪れが遅いこの辺りでは、他の地方では田植え前に行うこういう作業を、秋のうちにやっておくのだそうです。

これまでの仕事、とくに稲刈りの仕事のときなんかは、とっても忙しく、目まぐるしくて、シロウトの僕にとってはついていくのがやっと。

でも、このトラクターは、それに乗り、田底の土を耕しながら進むので、とてもゆっくり。

だから、周りの風景がよく見えます。


周りの家でおじちゃんやおばちゃんが立ち話をしていたり、畑仕事をしてたり、とれた作物を干していたり。

頭を垂らすたくさんのすすきの穂や、だんだんと赤くなりつつある木の葉、早い時間からオレンジ色になる太陽の光とかも、とてもきれいに見えます。

昨日はおばちゃんが「がんばるねぇ」ってビニール袋にお菓子をたくさん詰めて持ってきてくれたし、今日はおじいちゃんが「がんばれよぉ」ってトラクターの使い方ヒントを教えに来てくれたり・・。

たわいないこと、どこでもありそうなこと、経済的な価値など無さそうなこと。

でも、なんだか、何気ないそんな自然な風景や人のやさしさが、とても大切な気がします。光に映える葉の色も、おじちゃんの優しさもおなじもののように見える。
なんというかいい表現が見つからないけれど、「生」っていう感じかなぁ。


何年か前は、僕も大事にしようとしてた、世に騒がれるような、マニュアルやシステムやビジネスマナーや効率化や管理や営業や交渉術や戦略・・、もちろんそういうものも必要なのかもしれないけれど、

ここにあるこうした「生」こそが、《いのちが生きる》ということなんだろうなと思います。

トラクターの速度のように、毎日の速度を遅めてみると、いろいろな「生」が見えるのかもね。


2013-10-29 15.34.09



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プロフィール

 わたなべまさゆき

 新潟県在住。
 2012年の秋に東京から移転して来ました。
 現在、生活基盤構築中、農業研修中です。